母が意識混濁となり、再び入院へ

朝9時頃、父に「ママに朝水分を飲ませた?」と確認。
母が「パパが飲ませてくれた。」というので安心し、いつものように尿道カテーテルで溜った尿を廃棄。
昨日より量が多くて良かったなぁ~と思っていたら、横で母が「したいのに尿が出ない」と訴えて来た。
「でも尿も昨日より出ているし、色も悪くないので、大丈夫だよ♪」と安心するように声を掛け、作業していたら、また発作のように辛そうな表情になってお腹を触りながらモゾモゾし始めた母。
「尿道カテーテル嫌だよね?早く抜けるようにお願いしようね!」と声を掛ける。
オムツを開いてみると、カテーテルが余程気になったのか尿漏れパッドを手で押しこんでしまっていて、動いたせいか尿漏れしていました。便通は無し。

とにかくまずは水分を摂らせようと、とろみを付けたスポーツドリンクを作り、「朝ごはん食べようよ。」と声を掛けたけれど「食べたくない。」と首を振る。
「ゼリーだけでも食べない?」とゼリーを出して持って行くと、母が塗り絵の本をひっぱり出して普通の鉛筆で塗っていたので、色鉛筆の水色を出してあげて持たせてあげました。

するといつもは上手に塗っているのに、右に左にはみ出してぐちゃぐちゃに塗り出して、盛んに「色が出ない、色が出ない。」と言うので、「え?色出てるよ?じゃあ違う色にする?」とピンク色を渡しました。
すると、また同じようにぐちゃぐちゃに塗り出し、「色が出ない、色が出ない。」と。。
最後は痙攣のような動きで塗っているので、おかしいな?と思い、水分と栄養を摂らせなきゃと感じ、「とにかく今はゼリーを先に食べようよ!」と塗り絵を片付け、たんぱくゼリー・セブンを一口食べさせた。
でも、次の二口目を口に運ぼうとした時です。
母が急にビックリしたように目を見開いてこちらを見て、口は下唇を噛むようにつぐんでいて、「どうしたの?」と声を掛けても反応なく、ただ目を見開いてこちらを見ているので怖くなって、「ママ、ママ!!」と呼びかけるも、空中を見て次第に目がトロンとして白目を剥いて来るではありませんか!
ヤバい!これは絶対おかしい!と大慌てでパルスオキシメーターで酸素濃度を測ると、ピッピッピッと警告音と共にサチュレーションは65というものすごく低い数字を表示。
大慌てで介護ベッドの背もたれを倒し、声掛けしながら再度酸素濃度を測ると、今度は96から少しづつ上がって99まで戻ってくれたので少しだけホッとしたのですが、意識は混濁としたままの様子で、何度声を掛けても反応がなく目の焦点が合わない状態。
すぐに訪問看護さんに連絡しないとマズイ!そう思って、電話をかけました。
すると15分ほどで看護師さんが駆けつけてくれました。

看護師さんがすぐにサチュレーションを測ると99もあって酸素濃度は良い値だし、熱も無し、血圧が少し高いくらいとの事。
ただ目が少し縮瞳しているし、手を握って下さいと言うと手は握り返すけど自分の名前も言えない状態。
看護師さんが病院にすぐに電話をかけてくれました。「明らかに表情がお会いした時と違います。」しかし、「先生が不在なのですぐには行けないから。」と冷たいお答え。「しばらく娘さんに見ててもらって、何かあったら訪問看護に電話してもらって!」と。。
訪問看護師さんは少し納得していない様子でした。

再度看護師さんが酸素濃度を測ると、また少し下がって85という数字になっていて、しばらくすると100に戻ったり。
「多分、自分で息を止めてしまって酸素濃度が下がってしまっているので、口が閉じてしまったら指で開けて呼吸を促してあげて下さい。あとなるべく声掛けをして様子を見て下さい。」とのことで、また時間を見て電話しますね!何かあったらまたいつでも電話下さい。」と言い残し帰られました。

それから何度も声掛けをしていたけれど、目は開けても空中のおかしな方向を母が見ているので、「何か見えてるの?私はこっちだよ!私が見える?」と言っても、こちらは見てくれないし、焦点が合わない母。
そうこうしているうちに訪問診療の病院から、「先生が行けるようになったので、1時間後に伺います。」と電話が入りました。
良かった!それまで頑張って息を止めないように様子を見て声掛けしないと!とベッドサイドに椅子を持って来て、声掛けを続けました。
父にも協力を求めたのですが、「見ていても仕方ない。」と言うので、「あなたの妻でしょ!愛情が無いなら、もう一緒にいないで!」と怒ってしまいました。。

一時間後、女性の担当の先生がいらっしゃらないとの事で、他の男性の先生が来て下さいました。
始めは看護師さんから、「意識混濁している状態なので脳溢血とか脳梗塞とかの障害が起きている可能性もあり、その場合はうちの病院では対処できないので、他の病院に移って手術などになります。ご家族に伝えて下さい。」と言われたので、「分かりました。」と言って、まずは別の部屋にいる父に説明に行き、母のいる部屋に戻りました。

すると先生と看護師さんが「あ~!低血糖だ、低血糖だ!」と騒いでいて、「何か甘い砂糖の塊とかチョコレートとかありますか?」と聞かれたので、慌ててキッチンを探しに行きましたが、基本的にあまり甘いものを買わないタイプなので持っていなくて、父にも聞きに行ってみると、「そんなこと突然言われたって!」と半分怒っている始末(汗)、仕方なく先生の所に「砂糖しかありませんでした。」と報告すると、すでに看護師さんと共にバタバタと慌てながら何かの用意をされていました。

様子を見ていたら、始めは道具が足りなくて上手く処置が出来ない様子で、しまいには先生が「ダメだ。いいや、もう打っちゃう。この患者さんの状態を早く治してあげるのが先決だから。」と点滴の針と注射器で、どうにか対処して下さったようでした。

しばらくすると母の体が動き始め、看護師さんが、「ごめんね!注射、沁みるよね?」と言って、先生に「意識が戻って、痛みに反応し始めましたね!」と。
看護師さんも大きな声で母の名前を呼んで呼びかけをして下さり、ついに!母の意識が戻ってくれたのです。

「ほら、分かる?娘さんが心配してたよ?」と看護師さんが言って下さって、私が顔を見て手を振ると、心なしかほほ笑んでくれたようでした。その瞬間、うれしかったなぁ☆

先生は「もう意識戻ったし、入院は必要ないんじゃない?」と言っていましたが、看護師さんが「家ではご飯もほとんど食べてくれなかったようなので、このままだと低血糖を繰り返すし、一度検査もした方が良いし、娘さんの休息のためにも入院した方が良いので。」と言って、ひとまず入院することになりました。
介護タクシーの手配もして下さり、お昼過ぎに介護タクシーさんが来て、母と一緒に病院へ。

色々検査をした結果、「肝臓の数値が悪いのと、腸にガスがたくさん溜っているので、腸閉塞の疑いと、癌の検査をしなければ詳しいことは分かりませんが、腸の検査はかなり身体に負担があるために、高齢の方だとリスクが大きく、万が一という事もあり得ますので、それでも検査するのかどうか。また食事が口から取れない場合、胃ろうか高栄養の中心静脈栄養の点滴をしなければならないが、お母様の場合は胃がないため、胃ろうは出来ませんし、腸ろうは体に負担が大きいので無理です。
中心静脈栄養なら在宅ですることも可能ですが、CVポートを付ける手術をしなければならず、それはうちの病院では出来ません。また管理が必要なので娘さんに処置の仕方を学んでもらう必要もあり、介護の負担が増えることになります。さらに施設に預ける場合、CVポートが付いていると医療行為になるので、入れる施設がかなり限られてきます。料金の高い老人ホームに入らないとならなくなりますので、今後の方針を延命措置をどこまでするかも含めてご家族で話し合って下さい。」と言われました。
これは一人で決められる問題ではないので、アメリカにいる姉の意見と当てにはならないけれど父
の意見も聞いてみなければ。。

その後、入院前の様子など看護師さんから聞かれたので説明し、カテーテルが気になっているので外してあげたい旨を伝えると、「今まで尿が出なかったというのは聞いたことありませんか?」と聞かれたので、「それはないです。中心静脈栄養をしている時に汚れると菌が入って危ないので抜かないとは聞きました。なので、退院の時には外れている予定でしたが抜けてなかったんです。」と伝えると、では退院する時は抜く方向で先生に相談しますね!との事。

あれ?と言う事は、この間訪問看護さんが病院にカテーテルを抜いて良いか聞いた時には、「抜くと尿が出なかったから抜かない方向で、と言われたんです。」と言ってたけど、やっぱりそういう事実は無いんだな。。
今日緊急で来てくれた訪問診療の先生も、「カテーテルは菌が入ると怖いから、なるべく抜くんだけどなぁ、なんで抜かなかったんだろう?」と看護師に聞いていて、「多分、娘さんの介護の負担が大きくなってしまうからだと思う。」と先生に言っているのを耳にしました。
え!そんなことなら抜いてくれた方が良いのに!とドタバタの中で思いました。これで再度カテーテルを抜く要望を伝えたので、次回退院する時には余程の事が無い限り、抜いてくれるだろう。

一通り入院の手続きが終わって病院の外へ出たら、さきほどうちの母を運んでくれた介護タクシーの人が、また別の患者さんを運んで来たところに遭遇!会釈されたので、こちらも会釈。働いてるなぁ~。(^^;)